【書評】ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江貴文 感想・レビュー


堀江貴文さんのことはご存知ですか?

私の印象ではプロ野球の球団買収だとか選挙に出てみたり、いろいろな試みをされているイケイケの方であること。拝金主義、もう結果だけを出せば良い結果が全てだというか裏表ないのが裏目に出すぎて、反感を買っている、正直に言うとそんなイメージでした。

でもこのゼロを読んだ後はまったく堀江氏に対する印象が変わりました。

じっさい、堀江氏本人も「僕は今まで誰かにわかってもらうと言う努力をほとんどしてこなかった」と説明しています。結論のみをシンプルに伝えれば伝わるものだと思っていた。誤解されても誤解する方が悪いと強がっていたと、ゼロで説明しています。

そんな堀江氏が逮捕され、すべてを失います。再び0になりました。
飾る必要のなくなった堀江氏が、再出発する第一弾として出されたゼロ。本当に伝えたいことが伝わるように、言葉を尽くして語っていきたいと説明しています。

ゼロはこんな人におすすめです

この本は数多く出版されている堀江氏の中でも本人の生い立ちからはじまり、逮捕されていたときの刑務所でのエピソードなど、堀江氏の内面に関する話がたくさん聞けます。

前半は主に堀江氏の自叙伝のような話で占められ、後半からは堀江氏の考えなどを知ることができます。他の本と違うところは、堀江氏本人の内面を丁寧に掘り下げていること。子供時代に起きた出来事や結婚のことなどその当時のエピソードを披露しつつ、今の考えに至った経緯を説明しています。

よって、この本は堀江さんのことをよく知りたいと思っている方に特にオススメです

反対に堀江氏のノウハウや考え方を手っ取り早く知りたいと言う方にはゼロはお勧めではないかもしれません。本音で生きる-一秒も後悔しない生き方(SB新書)をおすすめします。

本書を読んでためになったポイントを紹介:没頭すること

『歯を食いしばって努力したところで大した成果は得られない。努力するのではなく、その作業に「ハマる」こと。何もかも忘れるくらいに没頭すること。それさえできれば、英単語の丸暗記だって楽しくなってくる。』

何かに夢中になっているとき、時間が経つのを忘れることってありませんか?そのときは努力をしているという感覚は無いのではないでしょうか?
没頭とはハマっている状態です。イヤイヤしている状態ではありません。

仕事を好きになるためには、没頭できるようになることが大事だと堀江氏は説明しています。

堀江氏はどうすれば没頭できるのかと言うことに対して、「自分の手でルールを作ること」を提案しています。

例えば、自分で作ったルールや自分で立てたプランなら、自分で納得して取り組むことができるし、やらざるを得ません。

イヤイヤ、やらされる勉強ではなく積極的にやる勉強になります。

そしてルール作りのポイントは、とにかく遠くを見ないことに尽きると言っています。

人は基本的に怠け者です。大きすぎる目標を立てると、うまく没頭できなくなったりやる気がなくなったりします。これは僕もそうでした。あまり大きな目標立てると、途中で無理かなぁと思い、挫折することの繰り返しでした。先を見ると辛くなるんです。

堀江さんは目標を、フルマラソンと100メートル走の関係に例えてこう説明しています。

『フルマラソンに挫折する人は多いけれど、さすがに100メートル走の途中で挫折する人はいない。どんなに根気のない人でも、100メートルなら集中力を切らさず全力で駆け抜けれるはずだ』

目の前のことに集中することです。
ゼロにイチを出していく
掛け算ではなく足し算思考。0に何かをかけてもゼロですよね

掛け算で早く成功したがる人って多いですよね。私もそうです。
堀江氏は掛け算ではなく、0に小さな1を足していけとこの本では書かれています。

堀江さんは中学生時代にプログラミングを独学で学びました。このことがのちの企業につながった経験、大学時代にヒッチハイクをした経験が誰かに声をかける勇気が身についたこと、営業スキルにつながったことを本書であげています。

一つ一つは小さな事でも、1を出していくことで成果につながっていくと言っています。

これにはわたしも共感しました。小さな積み重ねで、いつのまにか線になり面となっていくものだと思います。ピラミッドのように土台をしっかりと作っていくことで、ある日とつぜん応用が効くようになるんです。

小さな経験を積み重ねることが、結局は成功する一番の近道になるんですよね。

サブタイトルにもついている、何もない自分に小さな1を足していくことが堀江氏が伝えたいメッセージです。

小さな1を足すには、自信を持つ経験をすること。自分の手でルールを作ること。先にはまること。没頭が先、好きは後でいい。

ゼロを読むと、テレビやメディアの影響で作られた堀江貴文のイメージが間違いなく覆ります。

何かに迷っていたり悩んでいたり、自分が何をすべきか、どう動くべきか考えさせられます。とくに本の構成がすばらしい!読書慣れしていない人でも没頭できる一冊です。


堀江貴文があなたに問う、「働くこと」の意味 

『人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次へのステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては誰もが等しくゼロなのだ。』
2006年に証券取引法違反で逮捕され、2013年に刑期満了した著者である堀江貴文は、何もかもを失い「ゼロ」になった。
ゼロになった彼は刑期中に自叙伝を記した…。そうではない。この著書は「ゼロ」からスタートする著者が、自身が「働くこと」の意味を考える過程を通して、読者に「あなたはなぜ、働くのか?」を強く問いかける。

過去の著書では語られなかった幼少期や親との関係、コンプレックスは堀江貴文という人間がいかに「普通」であるかを物語る。
幼少期の思い出や10代、20代の堕落した生活を記す部分に紙幅が費やされており、中盤では急に彼に親近感が湧く。

金の亡者の「ホリエモン」のイメージはどこへ行った?彼は「普通」である。「普通」の彼は刑務所で過ごしている間もただ「働きたい」と思っていた。
『働いていれば、ひとりにならずに済む、働いていれば誰かとつながり、社会とつながることができる』獄中生活での寂しさは「働くこと」がもたらす「生きている実感」や「人としての尊厳の維持」を痛烈に彼に実感させたのである。

「普通」の人間である私たちも、もちろん衣食住のために働いているのだが、それ以前に彼が気づいた気持ちと同じものを「働くこと」に求めているのかもしれない。

「稼ぐ」ために、やりがいを自ら「つくる」という働き方

次章では「どう働くか」という視点に踏み込んでいる。まず『あなたはいま、働くことを「何かを我慢すること」だと思っていないだろうか?』という問いにギクリとする。

仕事は我慢と結びついていると考えている人は多いのではないだろうか。彼は『お金とは「もらう」ものではなく、「稼ぐ」ものである』という考え方だ。

『多くのビジネスマンは、自らの「労働」をお金に換えているのではなく、そこに費やす「時間」をお金に換えているのだ。』とも表現する。定時で出社し、我慢して仕事をする。
そのように自分の時間を差し出しておけば月末に給料が振り込まれる、そんな働き方はお金を「もらう」ことでしかない、それは「時間」をお金に換えているだけなのだ。

積極的に「稼ぐ」ためには自分には「時間」以外に提供できるリソースはないか、それを真剣に考える必要がある。しかし「稼ぐ」という言葉は実業家、経営者ならではの表現のように感じる。
どうしたら普通のサラリーマンが積極的に「稼ぐ」という感覚を得られるのだろうか。著者は積極的に「稼ぐ」ために必要な仕事の「やりがいに」ついても言及する。

『やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。』これも突き刺さる言葉である。
彼はここで、拘置所で無地の紙袋をひたすら折るという作業をしたエピソードを明かす。ノルマは1日50個折るという仕事である。

「どうやって折ったらもっと早く、きれいに折れるのか?」「レクチャーされた折り方、手順にはどんなムダがあるのか?」それらを考え、作業を見直したところ、3日後にはノルマを上回る数を折ることができた。
単純に楽しいし、うれしかった、と語る。

彼のエピソードからは、どんな仕事でもやりがいは「つくれる」ということがわかる。
与えられた仕事であっても、能動的に取り組むプロセスを経てやりがいを「つくる」ことができるのである。

シンプルな考え方だが、実践するにはそう簡単なことではないかもしれない。能動的に取り組むには難しい問題が現代人の目の前には山積している。
しかし先にも述べた天才ではない「普通」の堀江貴文が語るのである。
意識すれば、変わろうと行動しようとすれば、「普通」の私たちにもできるのだ。

あなたは「有限な時間」をどう過ごすか

最終章(第五章)では堀江貴文らしい、読者の心をつかむフレーズが並ぶ。
しかし過去の著書にみられるような過激な表現ではなくシンプルな彼自身の信条をわかりやすく読者に伝えようと意図されたものである。
終盤の「有限の時間をどう生きるか」では「働くこと」と限りある「自分の時間」をどう生きるかについて触れている。

あなたがいま過ごしているこの時間はまさしく「有限」である。「有限」だからこそ時間の使い方に知恵を絞る必要がある。
そして彼なりの時間の過ごし方が記される。清々しいまでに合理的で、でもどこか希望と夢がある時間に関する考え方は、ぜひ読んでいただきたい。

そして最後に彼は問う。「あなたはどう?」と。本書を通して一つ残らずさらけ出された彼の思いと心に刺さる言葉は、あなたが「ゼロ」から「新しい一歩」を踏み出すための、背中を強く押すものになるだろう。