【書評】プリンセスマーケティング 谷本理恵子 感想・レビュー


皆さん、この異常なまでにキラキラしたタイトルの本をご存じだろうか?
名前を聞いただけだと女児向けのおもちゃのような気さえするこの本は、マーケティング用のビジネス書である。

しかも、売れている。男性に。

よく男性は、「女性の心がわからない」なんて言うが、この本を読むともっとわからなくなる。

次の文章を読んでほしい。

私はある国の王女様。
とても知的で美しく、完璧な女性なの。
でも今は悪い魔女に魔法をかけられていて少し醜くなっているの。
でも大丈夫!
きっと何かいいことが起きてすぐに元の完璧な自分に戻れる!
だってそうじゃないとおかしいもの!
これは筆者が自作した文章だが、どうだろうか?
少しでも腑に落ちる部分があっただろうか。
自分で書いておいてなんだが、自分でも理解できない。
この文章が理解できなかったのなら、プリンセスマーケティングを読んだほうが良い。
こんな感じのことが延々と書いてあり、女生とはこう考える生き物なんだなということがわかる。
そして、理解できなくても女生とはそういうものだと思い、自身のマーケティングに生かすことは十分可能だ。
この記事を読んでいる人は、本を買うか迷っている人か、買わずに済む方法を探している人だと思う。
記事の対象者は前者だ。
自分の経験上、本を買って勉強する人のほうが勤勉で飲み込みが早い人が多い。
このサイトではそういう人を応援したい。
というわけで、この記事ではプリンセスマーケティングの内容をまとめ簡潔に伝えることで、あなたに本を買うかどうかを判断する材料を提供したい。

プリンセスマーケティングとは?

プリンセスマーケティングとは、マーケッターでありコピーライターでもある谷本理恵子氏が提唱した女性を対象としたマーケティング手法である。

(マーケティングという名前がついているが、内容はコピーライティング寄り)

マーケティングというと、コトラーやらキャズムやら難しい本が多いが、この本は誰でも読めるし、なんなら1時間くらいで読破可能だ。

ただし、内容は面白い。

女性の考え方がこうも男性と違うのか!ということを味わうことができる。

全く別の生き物を相手にしていると思ったほうが良い。

ちなみに、これを読めば嫁や彼女の機嫌を損ねることがなくなる、なんてことはない。

私はよく嫁に怒られている。

嫁はまた女生とは違った生き物だということなのだろう。

 

なお、私は谷本氏のセミナーに行ったり、オンラインで講座を受講しているが、セミナーに行ったときに面白い現象に遭遇した。

 

今年2019年のウェブ解析士大会議に行った際に谷本氏が登壇してたのだが、男女差の説明に対する聴衆のリアクションにおいて、明確な男女差が表れた。

女性:うんうん、そうそう!よくわかってるじゃないの!!

男性:ポカーン

おそらくこの本を読む男性も同じ反応だろう。

私もそうだった。

だから、理解する必要はない。

そういうものだという割り切りが大事だ。

女性は割り切るもの!と覚えよう。

 

さあ、いよいよ本の内容に入っていく。

女性と男性では求めているストーリーが違う

男子たるもの誰しもが剣と盾を手に取り、魔法を放ち、徐々に強くなりながら最終的に魔王を討ち取った経験があるだろう。
ゲーム、とりわけドラクエを想定している。
そう、筆者はドラクエが好きなのだ。

ドラクエじゃなくとも、RPGはたいてい、最初は自分サイドが弱くレベル上げをしながら強くなる。
その過程が楽しみの1つでもある。

ところが女性は違う。
最初からレベルマックス、装備最強。

でも、「なんか違うんだよな~。今の私ってポテンシャル発揮できてなくない?」ってのが女性の感覚らしい。

いわば中二病をこじらせた男子が、自分の秘められた力に思いを巡らせる状態と似ているだろう。
違うのは、中二病は中学を卒業すればたいてい治るが、女性は一生治らないということだ。

かわいそうだ。

でもこの性質を使えば女性を動かすことができるかもしれない。
「今のあなたは本当のあなたじゃない!この魔法を使えばあなたにかけられた邪悪な呪いが消え去り、本当のあなたに一瞬で戻れますよ!」

女性と男性では求めている設定が違う

さっきも言ったが、女性は最初からレベルマックスで装備も最強。
RPGで言えば、そもそも戦う必要がない状態だし、なんなら魔王を倒したいとも思ってない。

じゃあ何をしたいのか?
これはどうやら女性自身でもわかってないっぽい。

男性なら、どうのつるぎとわずかなお金さえもらえればどこへでも旅立つ。

一方、女性が動くためのきっかけは、シンデレラに出てくる魔法使いのような存在だ。

つまり、「本当のあなたになるための魔法をかけてあげよう」って言ってくれる人。
こういう人が好かれるみたいだ。

女性と男性では主人公のモチベーションが違う/h2>
男性:モテたい!勝ちたい!
女性:私らしくありたい

上記のとおり、本質的にまるで違う。
男性は自分の外側に何らかの関心を見出すが、女性は内側だ。

つまり自分にしか興味がない。
そういう生き物。

自分の内側というと自分の感情ということになるが、実際に女性は感情的な満足感を満たそうとするらしい。

それが阻害される状況は我慢ならない。

自分の見た目が自分的に満足できてるか?安心できるか?

こんなことばかり考えている。
だから自分が満足するまで爪を伸ばそうとするのだ。

女性を満足させるには、まずは女性が求めている感情を特定することが大事だ。
剣とか盾のスペックじゃない。
装備して満足できるかどうか?どんな装備なら満足しそうか?ということを考えるに尽きる。

女性と男性では意思決定の「中身」が違う

賢明な読者ならお気づきだと思うが、この記事で言いたいことは、「女性はドラクエに向いてない」ということだ。

散々その理由を説明してきたが、もう1つその理由を話そう。

男性なら攻略したいダンジョンがあるとき、その手前の町などでほしい装備に狙いをつけ、お金をためて購入する。
ところが女性は全く違う。
はがねのつるぎを買おうと思っても、いざ買う直前で、やっぱ薬草にしようとそっちを買ってしまうことがある。

これがいわゆる女性特有の衝動買いだ。
嫁の嫌いな行動トップ3に入るんじゃないかと思う。

なぜ突発的に買うかというと、「ほしくなっちゃうから」だ。
だってそのほうが気持ち的に満足するんだもん、という感じ。

薬草をたっぷり買ってまんぞくし、どうのつるぎでマンドリルからリンチされる可能性などみじんも考えない。
なぜなら自分をレベルマックスだと思ってるから。

というわけで、ここでも繰り返しになるが、女性を動かすには気持ち的な満足度を優先して考えるようにしよう。
こっちの剣のほうが攻撃力高いから!と言っても無駄。
こっちの剣の方があなたにふさわしいですよ!のほうが買ってもらえる。

女性と男性では何を信じるかが違う

ドラクエから外れて申し訳ないが、男性が服を買う場合、この記事はどこどこの記事で…、熱に強く…、洗濯も簡単で…、とメリットを言われるとだんだんモチベーションが上がってくるだろう。

女性が違う。
最初から買う気満々。
だってほしいからお店に来てるんだから。
でも評価はシビアで、色が若干思ってるのと違う…、記事の手触りがいまいち…、何このフリフリ…、という感じで、男性が加点法であるのに対し、女性が減点法。

男性は中身を吟味して買う傾向があるので、スペックを言われて満足すれば買いやすい。
女性はどちらかというと商品に対する印象や、すすめてくれる店員さんに依存しやすい。

よくカリスマ主婦とか女性校正とかいるが、あれ、女性にしかいないよね。
男性でカリスマサラリーマンとか聞いたことない。

これは女性が権威性に弱いからだ。
あの人が言うなら買おうかな…。ってなるのが女性。

実際、ネットでも女性に対して権威性があるアカウントだとプロモーションになりやすい。
インスタとか見ていてもそうだ。
女性に売るなら女性から信じてもらえる偶像を作るのもありだと思う。

女性と男性では関係の築き方が違う

初対面であった瞬間に男性から告白されて、そのまま付き合ってしまう女性は少ないと思う。
よっぽどのイケメンでも難しいだろう。
だいたい、そんな女性とは付き合いたくない。
でも男性は相手の顔とかでOKしてしまう人もいそうだ。

何が言いたいかというと、女性は徐々に親しくなりたいし、そうなったものを信じやすい。
何度もデートして信頼できるってなったら付き合う。

初対面で付き合う女性はいないといったが、あれがファンの芸能人だったらおそらく付き合うだろう。
なぜなら前から知っているから。

女性が信頼できる担当者を見つけるとお得意様になるのはこういうことも関係あるのだろう。
しかも高いものも買ってくれるようになる。
時間はかかるかもしれないが、関係をゆっくり着実に構築することが、売り上げアップの近道なのかもしれない。

女性と男性では未来の見せ方が違う

女性は、基本的にレベル上げしたくない。
一瞬で何かを得たいし、本当は持ってるのかもしれないとさえ思っている。

努力なしでホントの自分に戻りたい。
しかも一瞬で。

…そんなの無理だ。
だってうちの商品サプリだし、どうやっても一瞬では効果がない。

大丈夫。
そんなときに有効なのはケアルガじゃなくリジェネを使うイメージだ。(あ、これFFだ)

そう、じわじわ効く魔法として見せる。
とにかく努力感を出してはダメ。

購入前なら、返金保証をつけるとか、口コミを載せるとか。

あと、なかなか効果が出ないと、すぐやめる可能性があるので、その不安を払しょくするための心のケアも必要だ。
信頼している担当者から連絡入れるとか、なんらかの接触が必要になるかもしれない。

個人的結論

女性向けにマーケティングを行う場合、担当者は女性にしよう!
 ※個人の感想です